装置開発は苦難の連続です。
新しい装置開発ですんなり完成する事はベテランでも滅多にありません。
そんな中、若い二人が小型部品の組み立て装置を完成させました。
アイデアも素晴らしく、他の製品用組立装置にも流用可能であり今後期待の持てる装置です。
とは言え、完成するまでの過程は苦難の連続でした。
完成した直後の成功率は20~30%程度と低く、装置の改良や調整でやっと成功率が90%に達した時です。
係長「おっ、凄いね。これなら現場に渡せるな」
私「ダメです。組立成功率は100%でなければ渡せません」
係長「え~これだけ成功率が高ければ問題ないような気がするんだけど...」
最初の成功率が低かったので90%という数値は優秀に見えてしまうんですね。
そこで私は以下のたとえ話で説明しました。
私「係長は加工技術が得意分野ですが、例えば材料にも加工機にも問題がないのに10個に1個不良品を作る加工機って優秀ですか?」
係長「確かに...何も問題なければ10個作ろうが100個作ろうが1000個作ろうが不良品は出ない。」
私「ですよね。材料にも加工機にも問題がなければ不良品は出ないですよね?不良品が出る時って刃物が摩耗しているとか、何かしら問題が発生している時なので90%の成功率は低いのです。」
私「10個に1個不良品を作る機械を買わされたらメーカに文句言いますよね(笑」
係長「確かに(笑」
このやり取りを聞いていた装置を作った若い二人も加工機の事はよく知っているので私の話には納得してくれました。
問題のない装置は成功率100%でなければいけません。
成功率が100%でない装置には何か問題を抱えてるので、問題を解決する必用があります。
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