実物ができる工程の最後になります。
尚、基板設計においてはパターン幅と電流の関係、パターン間のクリアランスなどが定められています。
この情報はGoogleなどで「プリント基板」「設計基準書」で検索するといっぱい出てきますのでご存じない方はそこから始めてください。
また、基板設計は私が色々やってきた業務の中で一番経験値が低い業務であるため、もしかしたら間違いやもっと良い方法があるかもしれませんので、他に良い情報をゲットできた場合は迷わずそちらの情報を基に設計を行ってください。
ネットリストを読み込む
青枠で囲われているのが回路図作成で生成されたネットリストです。
これがないと基板設計は始められませんので必ず必要です。
ネットリストの確認ができたら下図赤枠の「PCB レイアウト エディター」ボタンをクリックして基板設計のウィンドウを開きます。
ウィンドウを開いたら下図赤枠の「ネットリストをロード」ボタンを押します。
下図青枠でネットリストファイルを指定しネットリストを読み込みますが、もし部品に対してフットプリントが割り当ててないと赤枠のようなエラーが出ます。
この場合は一度回路図へ戻りシンボルにフットプリントが紐付けられているか確認します。
シンボルとフットプリントの紐付けは回路図上の個々のシンボルに対して個別に行う事もできるので同じ抵抗のシンボルでも違う種類の抵抗にもできます。
また自分のライブラリファイルを更新した場合は回路図上でシンボルをダブルクリックしシンボルのプロパティにある「ライブラリからフィールドを更新」ボタンを押し、選択されているライブラリを最新の情報に更新します。
シンボルの修正が終わったら再度ネットリストを生成し「PCB レイアウト エディター」を開いてネットリストを読み込んでください。
部品を配置する
ネットリストに問題がなければ下図のようにフットプリントの固まりが出現します。
まずは何があるか分からないフットプリントを並べていきましょう。
今回は入力から出力までが一直線に並ぶ回路なので配置もきれいに並びます。
部品間には配線を通すため、少し隙間をあけています。
どの程度隙間を空けるかは感に頼るところもありますが、私の場合大きめに空け余裕がありそうなら配線を一部削除して再度部品の配置を決めたら削除した部分を再度配線します。
パターン配線は曲がりが少なく短いのが理想です。(等長配線などが必要なケースを除く)
時々「見た目重視」で無駄に曲がりが多い基板を見ますが、私が第三者に基板パターン設計を依頼し最終チェックをした時は必ず無駄な曲がりは排除します。
無駄な曲がりがあって回路が動かないといった事は今までありませんが、曲がりが多いという事はノイズの発生源が多い事になります。
少しでも問題になりそうな要素があって、それを排除する事は悪い事ではありません。
パターン配線をする
話は逸れましたが、配線を始めたいと思います。
下図の右側にある赤枠がパターン配線を始めるためのボタンです。
そしてもう1つ重要な事があります。
配線幅をどうするかです。
デフォルトでは0.25mm幅が1つあるだけで、当然の事ながら電源線などはもっと太い方がいいです。
そこで下図左側の赤枠のリストにある「定義されているサイズを編集」を選択します。
下図の基板セットアップウィンドウが表示されますので赤枠の「+」ボタンを押して幅設定を追加します。
もう1つ、ネット名とパターン幅を予め紐付けする方法もあります。
下図左側の赤枠「ネットクラス」を選択するとネットごとのパターン幅を設定できます。
青枠にある「+」ボタンを押して新しいパターン幅のルールを追加し、名称やパターン幅を設定します。
その後、右側の緑枠のようにネット名にネットクラスを設定します。
そうすると例えばネット名「+24V」を配線する時は自動的に0.5mm幅になります。
ここまできたらどんどん配線してみましょう。
そして配線が進行していくと必ず出くわすのが反対の層に一度持って行きたい状況です。
下図の赤丸がその位置なのですが、その場所で「v」キーを押してください。
そうするとビアが表示されます。 そしていい場所を見つけたら、その場でクリックするとビアが置かれ配線層も自動的にに反対側になります。
どんどん配線を進め最後の1本になりました。
IC2の12番ピンとJ2の7番ピンが最後の配線ですね。
これを配線すると完了となります。
しかしここで油断しないでください。
もしかしてパターンを移動させたりしてパターンクリアランスがルールで定められている数値以下になっているかもしれません。
下図赤枠の「デザインルールチェックを実行」ボタンを押してDRCウィンドウを開きます。
DRCウィンドウにある「DRCを実行」ボタンを押し、エラーのチェックを行います。
ここには未結線の情報も表示されるので見逃さないでください。
外形を決める
エラーがなければパターン配線は完了ですが、1つ大事な事を忘れてます。
そう、基板外形図が定められてません。
下図の赤枠で示した基板外形の定義レイヤーを選択し青枠の「図形ラインを追加」ボタンをクリックした後に、外形のラインを描いてください。
これで基板を作るための設計は完了です。
この後「ファイル」-「各種製造用ファイル出力」で出力されたデータを基板屋さんに渡すと、そのデータを基に基板が製造されます。
但し、このデータは基板屋さんによって変わってくるかもしれませんので今回は割愛します。
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