社内で回路作成の仕事が来て、ユニバーサル基板でちまちま作るレベルではなさそうなので久しぶりにKiCadを使います。
KiCadの情報は検索すればそれなりにヒットしますが、備忘録も兼ねて書きたいと思います。
ちなみに『KiCad』の日本ユーザ コミュニティと宣言しているサイトもあるのですが2018年4月以降更新もなく、もはや屍のような存在です。
厳しい事を言うようですが、記載されているバージョンも古く初心者が戸惑う恐れもあるので更新しないなら閉めて欲しいです。
このソフトでできる事は
1. 回路図作成
2. 基板パターン図作成
3. 基板のの完成3Dイメージの表示
4. 信号シミュレーション
といった基板が完成するまでに必要な事が一通りできます。
但し、私が主に作るのはデジタル系の回路でありそれほど高速で動く訳でもないのでシミュレーションは省略します。
余談ですが、前職ではKiCadで基板設計までを行い、ヨーロッパに輸出するためCEマーキングを取得するべくEMC試験を行い試験基準をクリアしました。
EMC試験にKiCadは関与しませんが、フリーソフトでも何ら品質に問題ない基板が作れるという事を証明できました。
但し、EMI(ノイズを出さない)やEMS(ノイズの影響を受けない)はパターンデザインで大きく変わる事があるので、必要に応じてワンポイントで紹介したいと思います。
ちなみにこのKiCadはCERN(欧州原子核研究機構)がサポートを行うなど、期待のできる開発体制となっています。
メニュー等は大半が日本語で表記されており、もし英語の部分であっても日本語のヒントが表示されるので困る事はないと思います。
但し、現時点(Ver5.1.5)での不満としてはデフォルトでは回路図などに日本語の情報を入れる事ができません。
これは個人で日本語フォントをマージしている方がおり、その方々が公開している実行ファイルを使えば対応可能です。
マージ作業はかなり大変らしく微妙にバージョンが古かったりもしますが、この労力に感謝し必要に応じてご利用ください。
KiCadのダウンロードとインストール
下記リンクの中央辺りにある「DOWNLOAD」をクリックしダウンロードページに行ったら自分の使用しているOSのボタンを押し、例えばWindowsなら32bitか64bitかを選んでダウンロードを行います。
私のPC環境はWindows10の64bitなのでWindowsの64bit版をダウンロードします。
ダウンロードが完了したらインストールを行う訳ですが、特に変わった事をする事もなく何も考えずにインストールしても問題ありません。
新しいプロジェクトの作成
KiCadを起動すると最初にプロジェクトファイルが開きます。
機能は下記となり、説明が記載している以外にも機能はありますが最初はこれで十分だと思います。
「ファイル」-「新規作成」-「プロジェクト」で新しいプロジェクトを作るためのウィンドウが開きますが、この時はプロジェクト名のフォルダも作成されますので事前にフォルダを作成する必要はありません。
今回はDドライブに「KiCad Test」というプロジェクトを作成しました。
拡張子が「kicad_pcb」が基板のパターン図のファイルであり、拡張子が「sch」が回路図になります。
これで回路図や基板パターン図が作れますが、その前にやった方がいいと思われる事がありますので次回はその辺りを解説したいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿